動画勢が獣道Ⅱを見て感じたこと
今日はかの梅原大吾、通称ウメちゃん主催の獣道がありました。
これは何かといえば、要は格ゲーで面白そうな組み合わせで10先をやりましょうというもの。
前回同様組み合わせが3つで、スパ2Xのこたか商店。 VS イトー、鉄拳7のたぬかな VS ゆうゆう、ストVAEのウメハラ VS ときど。
自分はスト4シリーズ、正確にはスパ4から格ゲーを見始めて以来ストシリーズばかりを見ていたので、今回の本命はやはりウメハラ VS ときど です。
まずあの事前のPVがすごくいい。
ときどが言っていた、「ウメハラは格ゲー業界の歴史そのもの」であり、「この業界においてウメハラを超えられるのか」というのはほんとすごく良い捉え方だなぁと。
ときどがどれだけ格ゲー業界を大切にしているのか、どれほど高みを目指しているのか、そしてウメハラが格ゲー業界にどれほどの影響力を持っているかが垣間見えるセリフだったと思う。
動画勢だけど、ウメハラがどれだけこの業界にどれだけ貢献してきたのかはある程度わかっているつもりで、その存在感といえば将棋界の羽生さんに近いところがあるのかなと思う。
また、日本における、いや世界的に見てウメハラの次が誰かといえばときどの名前が上がりそうな気がする。
しかし、ときどが言っていた「ウメハラの背中が見えない」という言葉からも、まだまだ追いついていないように感じていたようである。
一方で、ストVが発売されて以来、大会の成績で言えばときどの方が上回っているのは誰の目にも明らかで、昨年のEVO優勝に代表されるように数多くの輝かしい成績を残してきた。
ウメハラと言えば、ストVにおいてもトップクラスの強さであることは間違いないが、ときどやPunkのような絶対的な強さは感じられないかもしれない。
そのような背景から、ストVの国内最強、世界最強はときどであるという声は少なくないようである。
しかし、ときどはまだ自身を世界最強であるとは思っていないようであった。
そのきっかけというのが、かつてのインフィル豪鬼最強時代でのウメハラVSインフィル10先の直前の最終調整で勝負を受けたときの大敗だったとのこと。
かつてのTOPANGATVでもそのことを語っていたように記憶しているが、それはもう相当な仕上がりで手も出なかったのではないかと思われる。
ウメハラという男が本気を出して一つのキャラクターの対策をしたときに、どうなってしまうのかをその時ときどは身をもって体感したのだろう。
当時のときどは所謂ときど式と呼ばれるような、強いパターンや戦法を開発し、それを押し付ける形で相手をなぎ倒すプレイヤーであったように思う。
しかし、本人も言っているように、それではいけないということをその試合をきっかけに気づき、それ以来戦い方を改め、そしてここ数年の輝かしい戦績に結びつけてきた。
そういった経緯がある中で、ウメハラが格ゲー界に及ぼす影響力などは置いておいて、純粋なゲームの強さで言えば、そろそろ追いつきつつあるのではないか、ときどはそう思ったのだろう。
それも、トーナメントのようなキャラ対策が分散するような形式ではなく、自分の使用キャラを本気で対策してもらった上で対戦するような、言い訳できない状況下で勝ち越すことができれば、ウメハラという男にプレイ面において追い越すことが出来たと言えるのではないだろうかと。
そして、お互い十分な時間を確保して対策をして、満足の行く準備ができた上で本日を迎える。
試合前のインタビューからも窺えるように、お互いが満足の行く準備ができており、この状況でときどが勝てば、他のプロプレイヤーが言っていたように、歴史が変わってもおかしくない。
上記の内容がどれくらい正しいのかはわからないが、自分はそういったことを考えながら10先を見ていました。
これはもう純粋な勝ち負けではなく、一種のドラマみたいなようなもの。
結果は10-5でウメハラの勝利。
試合後のインタビューでときどが言った「ゲームの中でくらいは勝ちたかった…」というのは、本当にときどの気持ちが凝縮されているように思います。
冒頭の「ウメハラは格ゲー業界の歴史そのもの」という言葉にもあるように、ときどにとってウメハラの存在はあまりにも大きく、その姿を追う中で、今一番脂が乗っているこの絶好の時期において、ゲーム内の勝負くらいは勝って、自分が今一番強いということを自分で認識したかったんだろうと思う。
しかし、実際はそうは行かず、改めてウメハラという男の壁の高さ、そして試行錯誤の上、正しいと思っていた自分の格ゲーに対する取り組み方を今一度見直さないといけないという事実に直面したときに、あの涙が流れたのだろうと思う。
そう思うと、改めてこの組み合わせを設定した獣道すげえと思わざるを得ない。
もう何回見直したかわからないけど、凄まじいものを背負った10先だった。
ウメハラはともかく、ときどはこの経験を糧に、これからさらに取り組み方を磨き、いずれもう一度リベンジをしてほしいものである。
また、ときどの涙についてはいろいろなことを思う人がいるだろうが、個人的にはすごく羨ましく思える。
というのも、涙を流すほど何かに打ち込んだ経験をしたことがないからである。
打ち込んだことがないわけではないが、涙を流したことはない。
これは恐らく、リスクを背負って何かに挑んだ経験が殆どないからだと思う。
何も知らない人からすると、「ゲームで負けて泣くって笑」という感じかもしれない。
ただ私は、なにかに全力な人はそれだけで素晴らしいと思うし、それはゲームであっても何であっても例外ではないと思う。
ときどにはこれまで以上に頑張って欲しいし、それを全力で応援したい。
以上、ただの一動画勢の戯言でした。